UT75A カーボンポテンシャル演算機能付(/CPオプション付)
写真は昇温途中での表示・下段の数値はジルコニアO2センサの起電力(mV)表示
CP値が正常範囲内にあるとき,CP値は赤色から白色の表示に変化します
(上の写真は,連続ガス浸炭炉に複数台設置した事例での2台)
新和実業株式会社から御購入頂いた場合に限り,新和実業株式会社にて既設のCP演算器・エンリッチ制御器
との互換性を実現するために本器に導入する「ラダープログラム」の作成と導入まで行うことができます。
1台で炉内雰囲気ガスのCP値演算とエンリッチ制御に対応する制御用計器です。演算のみもできます。
演算式は、新和実業株式会社からご提供しているCpCalcと同一です。
入力されるデータが同じであれば、机上での演算と同じ演算結果が得られます。
(CpCalcは新和実業株式会社の登録商標です)
次の入力に対応します。ジルコニアO2センサは,補助アナログ入力端子に直接接続できます。(注2)
炉温(℃)・ジルコニアO2センサ起電力(mV)(炉内CO分圧は固定値を設定)
炉温(℃)・ジルコニアO2センサ起電力(mV)・炉内CO分圧(vol%)(測定値)
炉温(℃)・炉内CO2分圧(vol%)(炉内CO分圧は固定値を設定)
炉温(℃)・炉内CO2分圧(vol%)、炉内CO分圧(vol%) (測定値)
UT75Aのラダープログラム作成機能を活用することで,他社製の古いCP演算器・制御器と同等の機能を
UT75Aのラダープログラムによる設定でUT75Aの入出力端子に割り付け,互換性を持たせることができ
ます。
炉内雰囲気のエンリッチ制御(PID制御、またはPI制御)まで1台で可能です。
制御出力は一般型(ON-OFF出力、DC4-20mA出力)または位置比例型が選択できます。
エンリッチ制御に電磁弁,マスフローコントローラ,コントロールモータが利用できます。CP値の制御目標値(SP)を最大20種類までプリセットできます。またその切替は外部からも容易に
できます。
RS-485通信(Modbus),CC-Linkなどよる外部のPLCなどとの通信に対応します。
バッチ炉の場合,処理途中でのCPの制御目標値(SP)を変更が接点入力,通信機能等で容易にできます。
バッチ型ガス浸炭炉において,浸炭期と拡散期とで雰囲気のCPの制御目標値を容易に切り替えることができ
ます(PLCやプロコンからの接点信号やCC-Link等を利用してでCPの制御目標値の切り替えもできます)。
プログラム制御機能の利用により,CPの制御目標値を切り替えることもできます。
(プログラムは1パターンのみしか持てないため、プログラムの入れ替えにはCC-Link通信などのオープン
ネットワークを利用し、外部のPLCからUT75Aのレジスタを直接書き換えることで対応します)。
新和実業株式会社からご購入の場合、内部のCP演算のラダープログラム等を設定済みの状態で出荷します。
(通常はラダープログラムを炉メーカーまたはユーザーが組むことになる計器です)
UT75Aの設定やラダープログラムを利用することでご希望により例えば次のようなこともできます。
@制御盤に外部に設置した2位置のセレクトスイッチとの組み合わせで,制御の「自動/手動」,
「RUN/STOP」の切替(従来,カムスイッチを使って「自動/手動/保持/切」を切り替えていた
ものをセレクトスイッチ2個で代替)
AジルコニアO2センサの起電力が設定したある一定値を超えたときにスーティング発生の警報を出力
Bセンサ異常検出時に強制的にUT75Aの制御を「STOP」とし,エンリッチ制御出力を0%とする
C他社製CP演算器・制御器と完全互換の設定とする
様々な入力・出力の組み合わせが選択できます。
2ループモデルの利用により,1台のUT75Aで2カ所のCP値の演算・制御ができます(CO%は固定値)。
(注1)温度は,K熱電対,R熱電対等,UT75Aの測定入力端子(PV入力)を利用します。
新和実業株式会社から出荷する場合の初期設定はK熱電対またはR熱電対としています。
温度入力のバーンアウト設定は,ダウンスケールで設定します(これにより,熱電対入力の異常
時にCPの演算値が2.000%となるため,強制的にエンリッチ制御を停止させることができます)。
(注2)ジルコニアO2センサの起電力は0.000-1.250Vレンジ(入力インピーダンス10MΩ以上)を選択
できる補助アナログ入力端子に入力します。
(注3)炉内CO分圧および炉内CO2分圧は赤外線分析計からの出力をDC1-5VまたはDC0-1Vの直流電圧で
リモート入力端子に入力します。入力値に対して計器内部でスケーリングの設定が必要です。
なお,炉内CO分圧は固定値を設定することもできます。
(注4)CpCalcを利用したCP値の演算は、事前にお客様にてご確認頂けるよういたします。
(注5)UT75AにはジルコニアO2センサの出力インピーダンスのチェック機能はありません。
CpCalcとポータブルCO/CO2分析計を利用したジルコニアO2センサの精度確認方法はこちらから。。
横河電機株式会社製のGX10/GX20/GP10/GP20/GM10の演算機能オプション(/MT)付のモデルには、UT75Aの/CPオプション付きのモデルと同様に、CpCalcによるCP演算式が初期導入されています。
これを利用することで、1台の記録計でCP値の演算、制御、炉温の制御(/PGオプション付の場合プログラム制御も)、温度の記録等が可能です。
(位置比例出力はありませんので、コントロールモータによっては外付けの電電ポジショナの追加が必要になります。)
UT75Aの/CPオプション付と同様に、炉温+CO%(固定値)+O2センサ起電力、炉温+CO%(実測値)+O2センサ起電力、炉温+CO%(固定値)+CO2(実測値)、炉温+CO%(実測値)+CO2(実測値)からのCP値演算に対応しています。
横河電機株式会社GX10ペーパーレスレコーダに対して、PID制御モジュールを2台、アナログ入力モジュールを1台搭載し、GX10本体に演算機能(/MT)を指定することで、最大四つのCP値演算とエンリッチ制御が同時に可能です。入力は炉温、CO%、CO2%、ジルコニアO2センサの起電力に対応します。サイズは144mm角です。
GX10には、拡張ユニットを追加しない状態で、最大3台のPID制御モジュールを搭載できますので、CO%を固定した上でジルコニアO2センサを接続したCP値の演算で、最大6ループの制御が1台で可能です。連続焼入炉等での複数ゾーンのCP制御を1台のGX10で実現します。
GX10/GX20/GP10/GP20/GM10用のGA90XAおよびGA90UTのアナログ入力抵抗は2Vレンジの場合1MΩであるため、一部のジルコニアO2センサは計器側の入力抵抗不足から、直接接続できない場合があります(国内で入手できるジルコニアO2センサの場合、ほとんど問題はありません)。その場合、一旦、入力抵抗が10MΩ以上ある信号変換器(例えば、エム・システム技研製SVにカスタム仕様「/X1」を指定し、入出力のレンジをDC0〜2Vを指定した10MΩ以上の高入力抵抗入力のカスタム仕様)を追加して対応することになります。
また,CP演算用の温度入力のバーンアウト設定はUT75Aの/CPオプション付きでの設定に準じた内容にする必要があります。
横河電機株式会社GX10ペーパーレスレコーダにPID制御モジュール(/PGを指定してプログラム制御仕様とする)を1台を搭載することで、1台でガス浸炭炉の温度のプログラム制御とCP制御が可能です。サイズは144mm角です。
この仕様で、2020年に製造が中止され、古くなったAzbil株式会社製のDCP552mkUの炉温とCP演算制御を置き換えることは不可能ではありませんが、GX10が外部からの接点入力の立ち上がりエッジによるセグメント切替(ADV)などに対応していませんので、この場合、制御盤側に信号変換用の小型のPLCを追加するなどの対応が必要になる場合があります(ケースバイケースでの対応になります)。
CP値の演算式がCpCalcのものに変更となりますので、Microsoft Excel版CpCalcを利用して事前に演算の評価も必要です。
GX10に搭載可能なPID制御モジュールにはDCP552mkUにあるジルコニアO2センサの出力インピーダンスをチェックする機能はありません。
CpCalc
ガス浸炭炉などの雰囲気において,カーボンポテンシャルを計算するプログラムです。
赤外線CO/CO2分析計と合わせて利用することでジルコニアO2
センサの精度確認に利用している事例もあります。
CpCalcの名称とロゴはは新和実業株式会社の登録商標です。