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新和実業株式会社は熱処理設備・温度制御・雰囲気制御・湿度計測の専門メーカです。

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露点計測システム(静電容量式)DEW POINT MEASUREMENT

静電容量式露点変換器を使った露点計測システム

センサ式露点計

静電容量式(インピーダンス式)露点変換器を使った露点計測システム製作例(-80〜20℃DP)

ご参考

多くの連続焼結炉で静電容量式露点センサが使われいますが,
露点センサは1年に一度のメンテナンス(メーカーでの修理と校正)が必須です。
特に水素を含む雰囲気の露点計測では,1年前後の使用で計測値のドリフトが生ずるようになるため,センサの寿命は概ね1年程度と考えることが重要です。
メンテナンスをしていないセンサを使って品質不良による損害を出す前に,センサの予備品への交換と使っていたセンサのメンテナンスを実施してください。

お使いのセンサの精度の確認には基準器となる鏡面冷却式露点計(低露点仕様)またはTDLAS式露点水分計が必要となります。基準器をお持ちで無いお客様の場合,無条件に使用開始から1年を経過したセンサはメーカーでのメンテナンス済のセンサと交換するとよいでしょう。

弊社では,金属の雰囲気熱処理において,温度と露点などから金属の酸化・還元について計算するためのツールを無償でご希望の方にご提供しています
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高分子薄膜静電容量式露点変換器・酸化アルミ薄膜静電容量式露点変換器

鏡面冷却式冷却式露点計を使ったシステムより低価格なシステムを
「高分子薄膜静電容量式」または「酸化アルミ薄膜静電容量式」(総称して静電容量式またはインピーダンス式と呼ばれる)の露点変換器は、かつては-100℃の領域まで露点(霜点)計測が可能であること,鏡面冷却式露点計に比べて応答速度が速いことが特徴と考えられてきました。また,鏡面冷却式露点計に比べて低コストで露点計測システムの導入ができます。

しかし公的研究機関による近年の研究により,-60℃よりも露点の低い領域での精度や応答性が鏡面冷却式露点計に比べて大きく落ちることが明らかになりました。また、センサ部分の交換修理後,1年以上経過すると計測値にドリフトを生じやすいことも知られるようになりました(特に水素を含む雰囲気で顕著)。

露点計測の精度は,±2℃以内(-60℃以下の領域は±3℃以内)で,鏡面冷却式やTDLAS式に比べて1桁落ちます。また,低露点領域での応答性も鏡面冷却式やTDLAS式に比べて大きく落ちます。実質的に-60℃以下の露点計測は精度や応答性の面から問題もあります。さらに一般的に20℃以上の領域の露点計測は苦手です。

しかし,鏡面冷却式露点計のような高精度の露点計測や20℃以上の領域の露点計測を必要としない場合には大いに活用できます。つまり,
センサの特性やコスト的なメリットを十分に理解した上で,それに応じた使い分けが重要になります。

つまり,静電容量式露点変換器(露点センサ)は用途を絞ること,およそ1年周期で調整(センサ部分交換),校正を実施すること,静電容量式の特性を十分に理解しておくことで低価格でうまく使いこなすことができます。


高分子薄膜静電容量式の原理
ガラス基板上に2枚の電極に高分子薄膜を挟んだセンサを配置し,高分子薄膜が周囲の水分に応じてその誘電特性が変化することを検出し,また同時にセンサ自体の温度も計測し,これらの指示値から露点を演算します。

アルミ薄膜静電容量式の原理
セラミック基板上に導電性レイヤーと酸化アルミ薄膜の多孔レイヤーに吸湿活性レイヤーが挟まれたサンドイッチ構造のものが配置された構造になっており、多孔レイヤーに吸収された水分を検出し,露点を演算します。

露点計測範囲(周囲温度が25℃の場合)
-100℃付近〜20℃付近(センサに結露するような高露点の条件では使用不可)が露点計測範囲です。
ただし,概ね-60℃以下は,それ以上の露点の実測値とセンサの出力特性のグラフから外挿して求めた値に基づいている場合が多いので,高精度での測定には定期的な鏡面冷却式露点計との比較校正,またはセンサメーカーでの1年周期での校正・修理が必要。前回の校正から1年以上経過すると,露点の出力値にドリフトが生ずるため,お客様のお手元に鏡面冷却式露点計をご用意頂き,定期的に比較校正をしながらご利用頂くとよいです。また,およそ1年の周期で製造元での校正と修理(センサチップ交換)が必須です。特にH
2を含む雰囲気ガスの露点計測の場合,注意が必要です。

露点計測の精度(再現性)
±2℃以内(-60℃以下の低露点領域では±3℃以内と考えた方がよい)

鏡面冷却式露点計を使ったシステムよりも低コストでの導入

「高分子薄膜静電容量式」または「酸化アルミ薄膜静電容量式」(総称して静電容量式またはインピーダンス式と呼ばれる)の露点変換器は、かつては-100℃の領域まで露点(霜点)計測が可能であること,鏡面冷却式露点計に比べて応答速度が速いことが特徴と考えられてきました。

しかし公的研究機関による近年の研究により,-60℃よりも露点の低い領域での精度や応答性が鏡面冷却式露点計に比べて大きく落ちることが明らかになりました。また、センサ部分の交換修理後,1年以上経過すると計測値にドリフトを生じやすいことも知られるようになりました(特に水素を含む雰囲気で顕著)。

一方,用途を絞ること,およそ1年周期で調整(センサ部分交換),校正を実施すること,静電容量式の特性を十分に理解しておくことで低価格で小型の静電容量式露点変換器をうまく使いこなすことができます。

金属熱処理の分野で考えるならば,例えば雰囲気ガスがN2のみの場合やN2+H2の場合などでは問題無く利用出来ます。このとき,お手元に精度確認用として低露点仕様の鏡面冷却式露点計,もしくはTDLAS露点水分計があれば,適宜精度の確認やドリフト発生の有無の確認が可能になります。予算面から考えて鏡面冷却式露点計またはTDLAS露点水分計を複数購入できない場合に,比較校正用の鏡面冷却式露点計またはTDLAS式露点水分計を1台とそのほかを静電容量式露点変換器とすることもできます(お客様での実証試験実施済です)。

静電容量式露点変換器の精度は±2℃で,鏡面冷却式露点計の±0.2℃に対して劣りますが,例えば生産プロセスなどの管理上、雰囲気が「-50℃以下の露点(霜点)になっているかどうかが確認できれば十分」(つまり、GO/NO GO判定に利用したい)という場合にはリーズナブルな選択と言えます。連続焼結炉の場合,このような利用方法が一般的です。

弊社では鏡面冷却式露点計を使った露点計測システムの販売で培ってきたノウハウを活かし,お客様の用途に合わせて最適なシステムをご提供します。
センサの方式は「高分子薄膜静電容量式」または「酸化アルミ薄膜静電容量式」のいずれかから最適なものを選択し、お客様にご提案を差し上げます。

なお,「連続焼結炉に最適な露点センサのみの販売」も可能です(露点表示器との接続や電源供給については別途お打ち合わせが必要です)。

また,
表示器として使っているデジタル指示調節計に,センサのメンテナンスアラームの表示機能などを追加できるようにしました。これまでに納入したお客様にはソフトウエアのバージョンアップで対応致します。接点出力もできます。

製作仕様例

標準仕様(制御盤への組み込み用のパネルマウント仕様もございますのでご希望の場合はお問い合わせください)
露点センサ 高分子薄膜静電容量式露点変換器   計測範囲:-80℃FP〜20℃DP
酸化アルミ薄膜静電容量式露点変換器 計測範囲:-80℃FP〜20℃DP
精度:±2℃以内(-60℃FP以下の計測の場合,精度はプラスマイナス3℃以内)
いずれも、センサに結露を生ずる条件では計測できません。
-50℃以下の低露点領域では,露点計測の応答速度が大きく落ちます。
調整・校正から1年以上を経過した露点露点変換器は精度が上記から大きく外れますので1年周期の定期的な調整・校正が必須になります。
主な特殊仕様 高圧エアなどの露点計測をする場合の流量・圧力調整調整用バルブの取付(オプション)
主な装備 静電容量式露点変換器本体、露点表示器(警報出力可能)、ガスサンプルポンプ、流量計、フィルタ、電源回路
フィルタはお客様の露点計測の用途に応じて選定(フィルタレス仕様も可能)
データ出力 デジタル指示調節計から露点測定値の出力(DC4-20mA,DC1-5V)、制御出力(制御用の設定をした場合),警報接点出力,センサメンテナンス警報接点出力
外形寸法例 400mm(幅)×400mm(奥行)×400mm(高さ) (突起部を除く
電源 AC100V 単相 1A(100W)
主な用途 連続焼結炉,N2ベースの時効炉などの雰囲気,大気の露点計測,クリーンルームやドライルームの露点管理(制御),計装エアの露点管理など
注意事項 腐食性ガス、酸やアルカリを多く含むガス,センサに結露を生ずる場合などには対応できません。特に水素を含むガスの場合,1年周期で調整・校正をしないと計測にドリフトが生じます。
追加機能
(2021/10/5)
お客様のご希望により,露点センサ(露点変換器)の使用開始から一定期間(例えば1年)経過したところで露点の表示器警報計に露点センサのメンテナンスのお知らせ(警報)を表示させることができます(お知らせを消すこともできますが,一定期間経過後に再び表示します)。露点センサの精度維持のためにこの機能をご利用頂けます。タイマは通電中のみONになります。電源OFFのあとの復帰時は,電源OFFの前の状態を引き継ぎます。
既にお客様のお手元に納入済の製品については,ソフトウエアのバージョンアップができます。
【機能概要 − 機能や設定値の変更もできます】
1)センサメンテナンス後の使用開始時に警報出力のためのデータをリセット
2)使用開始から366日後にセンサメンテナンスのメッセージを表示
  (接点出力も可能)
3)上記2)の警報を一旦停止(例えば10日間)させる機能(例えば10日後に再警報)
4)上記3)のリセットが3回(変更可能)あったときに,別の警告メッセージを表示
  (接点出力も可能)

仕様詳細はこちらから

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